三国志相場戦略

米国は終わる

諸葛亮:遂に米国はばら撒き財政の出動です。AIGに9兆円、その他不良資産の買取に75兆円です。日本の国家予算と同規模の対策です。米国は自身のおかれた立場をよく理解しています。お金を湯水のごとく使う以外ありません。しかしこれで米国は終わっていくのです。如何に努力をしようとも財政赤字は減らず増え続けています。ドルの価値は落ちていくしかないでしょう。何度も言いますがドルの下落は円高を意味しません。日本の価値も落ちていきますので誤解のないようにお願いします。

馬超:お金を湯水のごとく使うのは分かりました。しかしそれで米国が終わると?

諸葛亮:以前から申し上げている通り米国の長い長い終わりの始まりです。その始まりは2年前からです。はっきりと昨年申し上げましたね。2年前に米国の株式市場が天井を打ちました。世界最大の債務国米国はその借金を減らす気も返す気もありません。

馬超:えっ!?返す気が…。

諸葛亮:疑問に思われるかもしれません。しかし返すと世界恐慌が起きますよ。世界の富は米国の負債とある意味同額なのです。米国に輸出して儲けたお金は再びドル資産として米国のファイナンスに貢献します。更に儲けたドルは各国の外貨準備と称して中央銀行が保有し、米国債を買います。正に大きすぎて潰せません。

趙雲:これでしかし少しは落ち着くのですか。

諸葛亮:落ち着くし、株も戻るでしょうね。しかしこれは最後の宴になるかもしれないと考えてください。完全に酔っ払わないで少し覚めた目で相場の戻りを見てください。全部上がるわけではありません。


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リーマンの破綻

諸葛亮:「漠然」と言いましたが、インフレの中のストックデフレについてもう少しお話します。通常のインフレの下ではストックの値上がりを伴うのが普通です。ところが今回のインフレはコストが上がったことによる値上がりです。即ち需要が増えていません。市場原理の働かない価格形成が不景気の中で起こっています。金融当局も手が打てません。日銀は恐らく何の手も打てないでしょう。企業業績が悪化し担保が値下がりを続けるため、銀行の融資は止まります。一種の金融恐慌に近い状態になるでしょう。

馬超:日銀は手を打てないということは諸葛亮殿なら打つ手があると?

諸葛亮:私にも秘策があるわけではありません。ただ、唯一これならというのはあります。公共工事などにお金をばら撒く積極財政です。

馬超:えっ、積極財政!?そんな…。

諸葛亮:疑問に思われるのも無理はありません。今更積極財政とは、と思うのも分かります。しかしこれしかありません。マネーサプライを増やさねばなりません。これと同時に日銀が量的緩和に踏み切るべきでしょう。資金供給を増やさなければ日本経済は死にます。大げさに聞こえるでしょうが、日本経済の構造事態に崩壊の危険性があります。このまま何もしなければ米国と心中するしかないと思われます。リーマンの破綻は対岸の火事ではなく日本の明日の姿かもしれません。

趙雲:リーマンの破綻は予想の範囲内ですか?

諸葛亮:イエスでありノーである、ですね。リーマンそのものをFRBが救済するかどうかは単に予想が当るか外れるかの問題です。メリルには救いの手が差し伸べられました。以前シティにはオイルマネーが入りましたね。どこが生き残るかは米国の国内問題であり世界経済に与えるダメージは小さくはありませんが破壊的なほど大きくはありません。

趙雲:米国はどうなるのですか?

諸葛亮:以前から申し上げている通り、米国は終わりが始まっています。長い長い下り坂を時にはゆっくり時には転がるように落ちていくでしょう。行き着く先は普通の大きな国です。難儀なことに借金と軍事力の両方を持っているので、一種の腫れ物として扱わなければなりません。厄介な国です。話を戻すと、その米国に依存度の高い日本は共倒れの可能性があります。従って1年前からずっとデカップリングを唱えているのです。BRICSの経済規模は米国を上回ります。我が中国は米国や日本と心中する気は全くありません。


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ストックデフレ

諸葛亮:昨日に続き不動産の件です。日本の不動産関連会社が上場非上場を問わず壊滅状態です。PERで2倍・3倍など、市場から存在を否定されたも同然の状態です。しかもその数が多く、建設と不動産関連の上場企業は100社近く倒産すると考えなければつじつまが合いません。

馬超:100社というのは?

諸葛亮:先ず低PERランキングを見ると上位20社中不動産業が18社、残り2社は建設業です。上位50社中不動産が34社、上位100社中不動産が50社近くを占めています。PER5倍未満の不動産・建設関連は100社近くになります。

馬超:PER5倍の意味は?

諸葛亮:大きな意味はありません。ただ、PERの計算では税引き利益を使いますが、実効税率を40%とすれば経常利益ベースのPERは3倍です。経常利益の3年分で株を全て買えるのですから、投資家側から見ればバーゲンセールです。逆にそのPERで上場するのは無駄で意味がありません。上場企業であると認められていないかのようです。
例えば、馬将軍が会社を作り毎年の利益が5億円になったとします。売上でなく利益で5億です。業種にも拠りますが売上で言えば50億円の企業です。その会社をPER3倍の15億円で売りますか?利回りで言えば33.4%です。

馬超:それじゃあ売らないな。

諸葛亮:そうでしょうね。しかし、そういう会社があるということは?

馬超:3年も続きそうにない、ということか。

諸葛亮:はい、利回りで言えば33%を払わないとお金を借りられない企業、悪くすれば倒産する企業と見られているわけでしょう。日本の土地本位制がついに終わったのかもしれません。金融界は大混乱になるでしょう。日本ではインフレの中でストックデフレが起きています。漠然と嫌な感じです。

馬超:う〜む。


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日本経済の四つの問題

劉備:軍師殿、今日は黄忠・趙雲・馬超の三将軍が勉強したいそうですから参加させたいが、宜しいですかな。

諸葛亮:勿論です。蜀を代表する将軍の参加を誰が拒みましょう。さて昨日のテーマで引き続きお話します。昨日の三国志はお読みいただいていますか?

黄忠:勿論じゃ。毎日ワンクリックがわしの日課じゃよ。趙雲将軍もそうであろう?

趙雲:いやそれが実は、諸葛亮殿は現地視察で、私は国内を回り…。

黄忠:ワンクリックしていないと?

趙雲・馬超:も、申し訳ない。

黄忠:おやおや、馬超殿まで。嘆かわしいのう。

諸葛亮:いえ、私の原稿の間隔が開き過ぎたのです。ブログは更新してないと読んでもらえませんから。今日から宜しくお願いします。

趙雲:しかと承知した。全軍に命じておきましょう。

馬超:それがしも。早速ご教示願いたい。

諸葛亮:はい、それでは始めます。今回の日本経済が難しい理由は大別して4つあります。
一つは少子高齢化です。昨年から日本は人口減少社会になっています。
二つ目は資源の値上がりによるインフレです。輸入に頼る日本は不利な立場です。
三つ目は従来の産業構造・経済社会の仕組みを変えねばなりませんが、日本は下手です。
四つ目はハイテク技術の行き先・未来図が余りクリアでない。技術は日本の生命線です。
四つとも深刻な問題です。

黄忠:いかにも深刻な問題じゃが、昨日の金融・不動産の話とは直接結びつかんなあ。

諸葛亮:「少子高齢化による人口減少」は就業人口の減少・住宅の過剰在庫だけでなくオフィスの過剰在庫まで引き起こしています。昨日お話ししたように不動産の利回りが10%を越えているのに誰も買わないのですが、一番目の理由は金融が機能していないことです。また見方を変えれば、将来空室が出る物件かも知れず、大掛かりな修繕の必要がある物件かもしれません。しかも不動産は維持コストがかかります。手取り利回りがいくらかが重要です。金融取引の担保としての価値がなくなり始めているのかもしれません。
日本はもう少し金融の仕組みを考えないと経済的に破綻するかもしれません。

黄忠・趙雲・馬超:なるほど。


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ただいま戻りました。

諸葛亮:陛下、ただいま戻りました。不在中は一方ならぬ…。

劉備:挨拶は不要です、軍師殿。さぞお疲れでしょう。ゆっくり休まれるが良い。

諸葛亮:いえ、お話したい事が山のようにあります。先ず概要だけお話して、明日以降解説したいと思います。

劉備:軍師殿がそう仰るなら是非もない。お話ください。

諸葛亮:はい。今回わたしが日本へ調査にいった理由はお話ししたとおりです。日本経済は崩壊に向けて動いているのか、それとももう底に届いているのかを確認するためです。

劉備:そうでしたな。覚えています。で、いかがでしたか、日本は。

諸葛亮:かなり酷い状態です。一つは株式以上に不動産が下落しています。買い手が不在の中で不動産価格が急落しています。元々不動産価格は上がるべきでないのに上がってしまったのですから無理もありません。

劉備:上がるべきでないとは?

諸葛亮:少子化と高齢化と団塊世代の退職と高層ビルの乱立など、不動産には供給量に見合った需要がありません。そこへ貸金業者・ノンバンクが壊滅したことに加え、更に当局の方針もあって不動産には融資が付きません。したがって不動産には買い手が不在で、やっと見つかった買い手は足元を見るし、銀行からの融資もありません。供給はあっても取引が成立しないのです。
 更に金融が止まっているため業績の悪化した企業の倒産が増加しています。燃料と原材料の値上がりでどこも黒字確保が難しくなっています。赤字企業には融資をしない銀行は相変わらず黒字企業に1〜2%の低利で融資し、赤字の場合は、利益率30〜40%の事業計画にも利回り10%以上の不動産にも見向きもしません。生損保も同じです。保険会社は保険契約という長期の負債を負っています。ここで長期の資産を持てば将来利益も確定します。しかし彼らは高収益物件は買わず、利回り1%台の国債を数十兆円持っています。インフレにより金利が急騰した場合、彼らは評価損で大変な事態になるでしょう。
 また、新銀行東京や日本振興銀行が失敗した事に代表されるように、融資の仲介に政治家が動くと最悪の結果を生みます。そもそも融資に仲介が必要な方がおかしいのですが、仲介がいないと動いてもらえません。日本の銀行は図体だけ大きくなりましたが、個別の判断能力がありません。全行が同じ行動を取ります。全行サラ金を買い、買った途端にサラ金部門は儲からなくなりました。理念は別として、常に後手で動くのは良い方法ではありません。

劉備:ふむふむ、…予想以上でしたなあ。


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